ウッドベルは、パソコン部品をはじめ、さまざまなプラスチック製品を生産してきました。私が入社した2000年頃は、携帯電話が急速に普及した時期で、液晶のバックライト等も製造しており、当時は営業しなくても仕事が絶えることはありませんでした。
そんな中、2008年のリーマンショックで状況は一変しました。受注が激減し、業績低迷がしばらく続きます。当時専務だった私は、「このままでは会社が存続できない。これまでと違う展開を考えなくては」と、会社が最も苦しい時期に2代目社長になる決断をしました。
お客さまの要求に応えられる体制づくり
創業者は当時の3Kと呼ばれた製造業の中で、クリーン環境の工場環境整備等を行い、高品質の製品を提供しておりました。しかし、近年の製造業を取り巻く環境は変化し、品質はもちろん、値段や納期など品質以外のことにもお客様の要求に応えなくてはならなくなりました。
そこで、海外拠点と国内拠点の役割の明確化を図り、同社が手掛けてきた家電、パソコン、携帯電話等のプラスチック部品の製造は海外にシフトし、国内では、自動車部品と医療機器部品の製造をより一層強化し、社内の体制を整えてまいりました。
自分たちで高品質のものを作れないか
医療機器は海外からの輸入が多いのですが、日本人にはサイズが合わなかったり、使い勝手が悪かったりします。そこで、自分たちで高品質のものを作れないかと考えました。
2012年に医療機器製造許可の認定を受け、その3年後には医療機器の品質マネジメント規格「ISO13485」を取得しました。医療機器部品の製造を本格化します。現在では、カテーテル先端部の樹脂製部品やディスポチップなどをメインに製造しています。最近の新たな展開としては、手術用機器の設計から装置として完成させるまでトータルでプロデュースいたしました。
ものづくり企業として次に何をやらねばならないか
経営にこだわりを持たないのが私の方針です。お客さまが欲しいのは機能や見た目であって、作り方ではありません。製造方法も会社の運営方法も、あえて従来のやり方にこだわらないようにしています。
社員を信頼して仕事を任せ、「ものづくり企業として次に何をやらねばならないか」常に未来に目を向け、お客様や社会から必要とされる企業になってまいりたいと思っております。
代表取締役
鈴木 康史